日本産婦人科・新生児血液学会 事務局

産業医科大学
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会長挨拶

第20回日本産婦人科・新生児血液学会報告

学会長  小林 隆夫  県西部浜松医療センター院長(産婦人科) 
 2010年6月25日~26日 アクトシティ浜松コングレスセンター4階

第20回日本産婦人科・新生児血液学会は平成22年6月25日(金)26日(土)にわたり、静岡県浜松市のアクトシティ浜松コングレスセンターに於いて200名を超える参加者で開催されました。本学会は産婦人科医、小児科医、新生児医が一同に介し、ともに討論する手造りの学会です。今回は20回の記念大会でもあり、テーマは‘出血と血栓-死亡ゼロを目指して-’とさせていただきました。「出血と血栓」は会長である筆者のライフワークでもあり、その目的は「死亡ゼロを目指すこと」にあるからです。

特別講演は、記念すべき第1回の会長でありました前浜松医科大学学長寺尾俊彦先生に「Experiments of Nature(天与の実験モデル)」と題して臨床と研究の哲学を講演してもらい、また、元埼玉医科大学教授の相馬廣明先生には、研究会から続く本学会の歴史を語っていただきました。教育講演では、前東海大学産婦人科教授の牧野恒久先生に「母児環境における化学物質」を、国立循環器病研究センター研究所分子病態部部長の宮田敏行先生に「日本人の血栓性素因」を、県西部浜松医療センター副院長の矢野邦夫先生に「周産期とHIV-最近の動向」を、奈良県立医科大学小児科教授の嶋緑倫先生に「産婦人科/小児科領域の出血性疾患-後天性血友病を中心に」を、ランチョンセミナーでは、弁護医師の田邉昇先生に「周産期領域における訴訟の考え方」を、奈良県立医科大学輸血部教授の藤村吉博先生に「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と妊娠-その診断と治療」をお話しいただきました。また、ビタミンKフォーラムでは、共に本学会の理事長をご経験された秋田大学名誉教授(産婦人科)の真木正博先生と産業医科大学名誉教授(小児科)の白幡聡先生に「ビタミンK発見から21世紀医療への継承」 をお話しいただきました。

シンポジウムでは、出血と血栓-死亡ゼロを目指して-’のテーマに沿って「産婦人科領域の肺塞栓症予防対策」を5名の演者に、「産科における出血対策」を6名の演者に、「新生児の血栓止血異常-最近の話題」を5名の演者に発表していただき、有効な予防対策や最新の治療法などに関して活発な討論が繰り広げられました。また、今回は新しい試みとして、一般演題はポスター発表とし、37演題の口演が行われましたが、そのうち5題の優秀演題は壇上でスライド口演していただき、木村聡先生の「DIC初発羊水塞栓症と心肺虚脱羊水塞栓症の血清マーカーの比較」が最優秀演題に選ばれました。産科医も小児科医も新生児医も、さらには他職種の方々も常に一つの会場で共に討論でき、大変有意義な学会だったと自負しております。

浜松といえば‘うなぎ’が有名ですが、実はぎょうざ消費量日本一ともいわれる‘浜松餃子’が最近脚光を浴びています。懇親会では、これらに加え浜松の海の幸をはじめ富士宮やきそばなども満喫していただき、夜遅くまで話題に花が咲いていました。浜松で培った‘やらまいか精神’を持って明日からの臨床・研究に役立てて欲しいと願って止みません。

さて、第21回日本産婦人科・新生児血液学会は、関西医科大学附属枚方病院総合周産期母子医療センター小児科の木下洋教授を会長として、2011年6月10日(金)11日(土)に大阪国際会議場にて開催される予定です。皆様奮ってご参加下さい。